第15回
アラフォー世代
フラメンコの教室を始めてからかれこれ24年、沢山の生徒たちと交流し、そのほとんどが女性相手の中、いつの間にかほとんどがアラフォー世代となってしまいました。
アラフォーとは、around 40の略で、40歳前後の、主に女性たちのことをいいます。
四捨五入すると40歳、今で言うと1964年生まれから1973年生まれまでの人達をさします。
昨年の流行語大賞にもなり、その世代の人達の興味深いライフスタイルを表現し、雑誌やマスコミなどでは特集が組まれるほどになっています。
1986年の男女雇用機会均等法のもとに社会進出した女性たちでもあり、積極的に仕事を持ち、キャリアを重ねていく中、「結婚はそのうちに」と先延ばしにしていた人が多くなってきた世代でもあります。
昔のように、結婚か仕事かを選択することもなく、自由に自分の人生を選択し、自立できる女性が増えてきたのもこの世代からのような気がします。
それゆえ、仕事、結婚、出産など、女性の人生の転機を保留状態にしていることが、今のこのアラフォー世代にとっての悩みでもあり、決断の時期でもあるようです。
私の周りのアラフォーたちも、最近はもっぱらこの話題が中心です。
昔はクリスマスケーキに例え、女の適齢期は24歳、25歳を過ぎると売れ残りと言われていたのに、彼女らはほとんどが独身で、売れ残りどころか、皆まだ若々しく、活き活きと人生を謳歌しています。
それなら、もう結婚する気はないのかな、と思うと、ほとんどの人が「いい相手がいたら…」と言うのです。
いい相手の条件とは、私が20代の頃は、3高と言って、高学歴、高収入、高身長、と結婚相手によって人生が変わる、という考えでの理想でした。
今のアラフォーたちは、3低と言って、低姿勢、低リスク、低依存、と、ありのままの自分を受け入れてくれる人、つまり、相手に合わせる結婚なんかまっぴらごめんのようです。
だからといって、理想のハードルを低くしているわけでなく、なかなか「いい相手」とはめぐり合えないようです。
それなら、結婚しない人生もありなのでは…と思うのですが、そろそろ出産へのタイムリミットを向かえ、このまま独りで老後はどうしようか、と考える時期でもあるようです。
つまり、女性としての人生の岐路に立ち、これからのことを考える転換期でもあるのでしょう。 アラフォー世代の独身は、女性だけではなく、私の周りには男性も結構います。
彼らに結婚について尋ねると、同じようにほとんどの人が「いい相手がいたら…」と言います。
出会っていても、心がときめかない、とか、理想の人がいない、と言うのですが、それはやはり今の生活に大して不満も抱いていなく、気ままなほうが生きやすいというのが本音なのでしょう。
私も今、ぎりぎり最後のアラフォーです。 周囲にあおられ、「ま、この辺で…」という気持ちで20代に結婚し、30代は髪振り乱して子育てに追われながら過ごした私から見ると、今の彼女らが楽しそうで眩しく見えるのは、隣の芝生が青く見えるのと一緒なのでしょうか?