第1回

フラメンコとの出会い




 皆さんはフラメンコをご存知ですか?

私がフラメンコと出会ったのは、高校卒業後に上京し、舞踊科のある短大に進学した時です。その学校での授業のひとつにフラメンコがあったからです。

子どもの頃からバレエを習い、ダンスといえば他のジャンルでも興味があったのですが、新潟ではフラメンコに接する機会が全くなく、その時初めてフラメンコを知ったようなものです。

初めての授業の時登場したきた先生は、50代位でスレンダーな身体つき、長い黒髪に目鼻立ちがはっきりしていて、エキゾチックでまるでスペイン人のようでした。

フラメンコのイメージがその先生を見ただけで頭に浮かんでくるほどです。 そして目の前で踊る先生の動きはまるで魔法のようで、何もかもが新鮮で、斬新で、別世界のものに見えました。

ところがその先生、後々知ったことですがなんと新潟の十日町出身とのことでした。

イメージから始まったフラメンコも、やっていくうちに興味深くなり、もっと知りたくなり、色々な舞台を見たりしていくうちにすっかり虜になっていました。

そして学校以外でも先生の教室に通い、卒業公演に向けてフラメンコに没頭する日々が続きました。

両親に「卒業公演はフラメンコを踊ることにしたわ。」と伝えると、「何それ?」と言われ、どんなものかと知ってもらうために、東京に来た際にフラメンコが観られるレストランに連れて行ったことがあります。
薄暗い店内で汗を飛び散らしながら踊るダンサーを観て、その迫力に感動していたものの「なぜ自分の娘がよりによってフラメンコなのか?」と首をかしげていました。

その頃はジャズダンスやエアロビクスが流行し始め、それを知った父は 「どうして今どきのことをやらないのか?フラメンコなんて誰もやらないよ。」とも言われました。

しかし、すでに私の心はフラメンコに夢中・・・ そして、卒業したらすぐに本場のスペインへ!と気持ちが高ぶっていたのです。

でも、そうは上手くいくはずがありません。 あまりにも想定外の娘の進路に、戸惑う両親を説得するには時間が必要でした。

というわけで、卒業後は新潟にとりあえず戻り、まずはフラメンコを知ってもらおう!というところから始めることにしたのです。

今思えば、この時自分の我を通して勢いで行動していたら人生変わっていたかもしれません。
そしてその時どちらを選択していた方が良かったのかはわかりません。
だからこそつくづく運命を感じます。

 そして、私の新潟でのフラメンコ人生がスタートしました。






 1 フラメンコとの出会い
 2 恩師との出会い
 3 目標に向かって
 4 憧れの地、スペインへ
 5 彩り豊かなセビリア
 6 マイペースなスペイン時間
 7 バルセロナの建築家ガウディ
 8 グラナダの想い出
 9 国境なき友情
10 スペインから見た日本
11 命名
12 夫婦別姓
13 年の瀬に思うこと
14 大器晩成
15 アラフォー世代
16 アンチエイジング
17 食の大切さ
18 親離れ子離れ
19 ピラティス
20 旧知の仲間たち
21 出し惜しみしない
22 スペインの春祭り
23 終わりなきフラメンコ
24 中高年パワー
25 生涯現役


新潟市中央区上所3丁目13−59
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NHK 朝の随想
  NHKラジオ新潟第一放送 『朝の随想』に小島正子が出演しました。
 平成20年9月30日〜平成21年3月24日までの毎週火曜日、朝7時40分
 から半年間出演、全25回分の原稿を掲載します。









































































                   
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