第12回

夫婦別姓




 数年前に夫婦別姓案が取り上げられ、民法改正かといわれてから、その後どうなってしまったのでしょうか?
私はこの夫婦別姓制度を心待ちにしていた一人です。

というのも、結婚前から続けていた仕事での名前をそのままにしておきたかったのと、事務上の手続きの面倒がわずらわしかったからです。

そして、自分の両親から切り離されるような理不尽な寂しさと、なにより、何々家に嫁ぐという古臭い結婚の形に抵抗があったからです。

しかし、結婚したからには日本の戸籍はどちらかの姓に統一しなくてはならず、私も一般的に夫の姓となりました。

戸籍上は夫の姓とはいえ、仕事上は旧姓のままにし、ほとんど名乗るときは『小島』をとおしていますが、不便なことはたくさんあります。

まず、病院や役所や銀行など身分証明書を提示しなくてはならない場では、夫の姓であり、結婚して18年も経った今でも、公の場で呼ばれる時や名乗る時は違和感を覚えます。

それに、子どもが生まれるとどうしてもこの問題は回避できません。 もちろん子どもたちは夫の姓を名乗り、学校へ行くようになると私もそのお母さんとして呼ばれます。

我が家の表札は二つの姓が記され、私を旧姓のまま呼ぶ人がほとんどなので、子どもの関係の方から不思議がられることがよくあります。

子どもたちは物心ついた時からこういうものだと当たり前に思っているようですが、傍から見たら苗字の違う両親は変に思われても仕方ないでしょう。

まだ息子が小学校へあがったばかりの頃、学校で文字を書く練習をしたプリントを持ち帰ってきた時のことです。

そこにはお父さんの氏名とお母さんの氏名を書く練習問題があり、うちの息子は私の名を旧姓のまま書いてあり、困惑したことがありました。

でも、だからといって苗字が違うことに子どもから何か問われたことは一度もなく、今も当たり前のように受け入れくれています。

スペインでは結婚しても夫婦は別姓のままで、その子どもには父親の姓と母親の姓を両方付けます。 これは非常に合理的だと思います。

お隣の国、韓国や中国も夫婦別姓のようです。
日本もいつか夫婦別姓制度になるのでしょうか?

現在の少子化時代の子どもたちが将来結婚する頃は、一人娘も多く、嫁ぐことによって苗字が変わることを望まない人が益々増えてくることでしょう。

夫婦別姓になれば、嫁に入るとか婿になるとかの問題もなくなるのではないでしょうか?

そして、晩婚化により苗字への愛着心も強くなっていることでしょう。それに結婚後も変わらず仕事を持ち続ける女性が増え、そのままの苗字を望む人も多いでしょう。

結婚を機に「あなた色に染まります」どころか、「あなたの姓を名乗ります」ということに嫌悪する女性は私だけではないように思いますが・・・今後どんどん増えていくような気がします。

 1 フラメンコとの出会い
 2 恩師との出会い
 3 目標に向かって
 4 憧れの地、スペインへ
 5 彩り豊かなセビリア
 6 マイペースなスペイン時間
 7 バルセロナの建築家ガウディ
 8 グラナダの想い出
 9 国境なき友情
10 スペインから見た日本
11 命名
12 夫婦別姓
13 年の瀬に思うこと
14 大器晩成
15 アラフォー世代
16 アンチエイジング
17 食の大切さ
18 親離れ子離れ
19 ピラティス
20 旧知の仲間たち
21 出し惜しみしない
22 スペインの春祭り
23 終わりなきフラメンコ
24 中高年パワー
25 生涯現役


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  TEL 025-281-1714
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NHK 朝の随想
  NHKラジオ新潟第一放送 『朝の随想』に小島正子が出演しました。
 平成20年9月30日〜平成21年3月24日までの毎週火曜日、朝7時40分
 から半年間出演、全25回分の原稿を掲載します。









































































                   
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