第2回

恩師との出会い




 私は4歳頃からバレエを習っていました。
5歳年上の姉が習っていた影響で、自分も習いたいと両親にせがみ五十嵐瑠美子洋舞踊研究所に入門しました。

この時を機に、私のダンス人生が始まりました。

五十嵐瑠美子先生は新潟でバレエ教室を始めてから50年を越える大ベテラン、新潟の洋舞踊界で多くの力を注ぎ貢献されている重鎮であります。

私が子どもの頃での印象は、いつも背筋が伸びていて、凛として、厳しく、そしておおらかで、明るく、なんと言っても頼りがいのある先生でした。

それは今も全く変わらず、大変元気で活躍していらっしゃいます。
私が東京から戻りフラメンコを新潟で始めようと決意したのも、五十嵐先生の助言があってのことでした。

「何もないところから始めるのに意味がある。誰もやろうとしないことをやることが大切。あなたが新潟のフラメンコの草分けになりなさい。」 まだ、意思がはっきりとしない私にはあまりにも大それたことでした。

しかし、不安ながらのスタートに先生は背中を押してくれたのです。
これは私にとって大きな力となりました。
そして24年経った今に繋がっています。

五十嵐先生のご協力で、私は先生の教室でフラメンコを教え始めました。 とは言っても最初の生徒はたったの2人、ベニヤ板をそれぞれ1枚ずつ敷いて1週間に一度だけのレッスンでした。

それ以外は、先生のお手伝いでバレエ教室の子どもたちを教えたり、自分のレッスンをしたりの日々でした。
今思えば、この頃に先生の傍らで指導者としてのノウハウを学びとることができ、その後の自分への糧となる大切な時間でした。

「人生うしろを振り向く暇があったら、前を向いて進みなさい。」 先生がおっしゃっていた言葉です。

そして、ダンスだけではない、人として、女性としての生き方を常日頃教えてくれたのも先生でした。

先生らしいエピソードがあります。 信号待ちしている時姿勢が悪い人や、道で歩き方が下手な人を見ると、構わず注意してしまうそうです。 外出先で行ったトイレが汚れていると、思わず掃除してしまうそうです。

私はそんな先生が大好きです。
誰にも媚びず、自分の意思で前向きに生きている先生はとても素敵です。

こんな恩師に出会えたことにとても感謝しています。





 1 フラメンコとの出会い
 2 恩師との出会い
 3 目標に向かって
 4 憧れの地、スペインへ
 5 彩り豊かなセビリア
 6 マイペースなスペイン時間
 7 バルセロナの建築家ガウディ
 8 グラナダの想い出
 9 国境なき友情
10 スペインから見た日本
11 命名
12 夫婦別姓
13 年の瀬に思うこと
14 大器晩成
15 アラフォー世代
16 アンチエイジング
17 食の大切さ
18 親離れ子離れ
19 ピラティス
20 旧知の仲間たち
21 出し惜しみしない
22 スペインの春祭り
23 終わりなきフラメンコ
24 中高年パワー
25 生涯現役


新潟市中央区上所3丁目13−59
  TEL 025-281-1714
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NHK 朝の随想
  NHKラジオ新潟第一放送 『朝の随想』に小島正子が出演しました。
 平成20年9月30日〜平成21年3月24日までの毎週火曜日、朝7時40分
 から半年間出演、全25回分の原稿を掲載します。









































































                   
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