第16回
アンチエイジング
女性ばかりが集まれば、必ず話題になるのが美容の話しです。
肌のきれいな人を見れば、どういう手入れをしているのか聞き出したり、使っている化粧品を聞いたりします。
雑誌やテレビでの美容にいいという情報は敏感にキャッチします。
これを食べると「きれいになる」、「痩せる」という情報が流れるとその食品などはすぐに売り切れ続出になったりします。
有名タレントが「これ使っています」と紹介すると、店頭に商品が並び、すごい売れ行きになります。
美容にいい、と言われれば食品であれ、化粧品であれ、道具であれ、運動であれ、何でも試してみたくなる貪欲さは女性のほとんどが持っているのではないでしょうか。
そんな話しを聞きつけた男性の知人が、女の人がそういうことにお金を使うことが理解できない。
どうして年より若く見られたいのかわからない、などと呆れられたことがあります。
年を重ねることは色々な経験を積むことができ、それは大きな自信でもあり、若い時に戻りたいと思っているわけではないのですが、ただ単にそのスピードを緩めたいと思っているのです。
できることなら、外見はシミやシワなど増やしたくない、贅肉もつけたくない、体力も衰えたくない、いつまでも若々しくきれいでいたい、と、女性の欲は無限大です。
つまり、老化に抵抗するという意味の『アンチエイジング』は女性の永遠のテーマなのです。
最近の女性好みの男性像が「ちょい枯れオヤジ」というのをご存知でしょうか?
「ちょっと枯れたオジサン」の略で、渋くて落ち着いていて、威圧感がなく、人生経験を積んだ上での倦怠感をかもし出した中高年以上の男性のことをさし、決してマイナスイメージではなく、素敵な男性として支持されているのです。
女性に「枯れる」とは絶対に認めたくない言葉が、男性にはほめ言葉になるのですから、老化への意識の違いが男女異なるのは当然でしょう。
仕事柄、女性に囲まれていると、幅広い年齢層の中で女性が求めているものが共通であることをつくづく感じています。
誰もが『老いる』ことから少しでも遠ざかりたい、いつまでも生き生きと美しく健康でありたい、 と思っているのです。
スペインでは、おばあさんになっても美しくお洒落をしている人が多く、道すがら素敵な年配女性にハッとすることが良くあります。
日本人にありがちな、年齢にそぐわない若作りや、高齢者特有の暗い地味な色合いの服装などは見かけません。
髪の色は白や銀色になっていても、それに合ったきれいな色の服を着て、美しく化粧をして、背筋を伸ばし、凛としている姿の、年齢を超えた美しさには惚れ惚れしてしまいます。
歳を重ねていっても自分の個性を際立たせるセンスを持ち、いくつになっても美しく輝いていたいものです。
男性にとやかく言われようと、老化に生涯、対抗していこうではありませんか。